建設業に特有の勘定科目

経営審査の準備をしていて前期に発注者から受領した前受け金について
質問を頂きました。建設業特有の未成工事受入金です。
建設業に特有の勘定科目について、あらためて確認していきます。

損益計算書
・完成工事高
 →建設業の売上金額
・完成工事原価
 →完成工事にかかった直接の費用(材料費・労務費・外注費・経費)

貸借対照表
・完成工事未収入金(資産)
 →完成工事高に計上した請負金額のうち未だ回収できていないもの
・未成工事支出金(資産)
 →完成工事高に計上していない工事について支出した費用
・工事未払金(負債)
 →完成工事高に計上した工事に支出した費用うち支払いが済んでいないもの
・未成工事受入金(負債)
 →完成工事高に計上していない請負金額のうち先に受領したしたもの

貸借対照表の資産である、未成工事支出金に入れた支出は、
決算をした期中には費用になっていません。
支出した現場を完成工事高として計上していないためです。
その現場が完成工事として処理したときに、資産から損益計算書の
完成工事原価に振り替えられて、費用になります。

貸借対照表の負債である、未成工事受入金に入れた収入は、
決算をした期中には完成工事高にも費用にもなっていません。
その現場が完成工事として処理したときに、負債から損益計算書の
完成工事高と完成工事原価に振り替えられます。

収益の計算基準は、工事完成基準と工事進行基準の2つがありますが、
一般的なのは工事完成基準です。
工事が完成した時をもって、売り上げと費用を計上します。
完成前に受け取ったり、支払ったりしたものについては、貸借対照表の
未成工事の科目に入れておいて後で処理をしています。

決算期をまたいで注文された仕事が完了することは、建設業によくあることですね。
それで上記のような勘定科目が必要なのですね。

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この記事を書いた人

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塩﨑 宏晃

2003年行政書士登録。
建設業許可・経営審査業務の実務経験19年。
行政書士業務を通じて現場で働く方の縁の下の力持ちとなることがモットーです。
近年は建設キャリアアップシステム、特定技能ビザにも取り組んでいます。
お客様は一人親方、サブコン、地方ゼネコン、上場メーカーなど様々。
毎年200社以上のお客様と直接お会いし、ご相談を承っています。
2023年から申請のオンライン化が本格スタートしますので、
これを機に遠方のお客様ともご縁を頂ければと考えております。