監理技術者1名の退職が経審の総合評定値P点に与える影響

みそらくん

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経審本番前のシミュレーション結果から見えた意外な影響

経営事項審査(経審)のシミュレーションを行ったところ、「監理技術者1名の退職」が、想像以上に総合評定値(P点)へ大きな影響を及ぼすケースがありました。

監理技術者の退職前
総合評定値(P)866点  完成工事高及び技術職員数(Z)742点

監理技術者の退職後
総合評定値(P)851点  完成工事高及び技術職員数(Z)682点 

わずか1名の退職で、総合評定値が15点も減少したのです。この差は、入札の格付けや受注機会に影響を及ぼすこともあります。本日は、このような変化の原因となる「Z点(完成工事高および技術職員数)」のうち、技術職員数の計算方法についてご案内します。

Z点全体の計算式について

まず、Z点は2つの項目について評価がされます。1つ目は「技術職員数」、2つ目は「元請完成工事高」です。Z点全体の計算式は次のとおりです。
Z = 技術職員評点 × 0.8 + 元請完成工事高評点 × 0.2

経営事項審査の全体の中で、Z点が占める割合は 25% です。このうち技術職員数の項目は80% を占めており、非常に重要な要素となります。技術職員数の項目は、技術職員の人数が多いほど評価が高くなりますが、1人の技術職員につき加点対象とできるのは2業種まで です(※雇用期間が6か月を超えている者に限ります)。

令和5年7月以降の加点対象となる技術職員について

技術職員の資格に応じて、次のように加点されます。
1級監理受講者:6点加算
技術者を対象とする国家資格の1級、または技術士法に基づく資格を有し、監理技術者資格者証の交付を受けている者

1級技術者:5点加算
技術者を対象とする国家資格の1級を有する者(6点対象者を除く)、または技術士法に基づく資格を有する者(6点対象者を除く)

監理技術者補佐:4点加算
監理技術者を補佐する資格を有する者

基幹技能者等:3点加算
登録基幹技能者講習の修了者、または建設キャリアアップシステムの能力評価基準によりレベル4と判定された者

2級技術者:2点加算
技術者を対象とする国家資格の2級を有する者、または技能者を対象とする国家資格の1級を有する者
建設キャリアアップシステムの能力評価基準によりレベル3と判断された者も含まれる

その他技術者:1点加算
技能者を対象とする国家資格の2級を有し、実務経験を有する者
または実務経験による主任技術者

関連記事 Z点で加算される資格一覧

技術職員数値の算出方法

技術職員数値 =G1 × 6 + G2 × 5 + G3 × 4 + G4 × 3 + G5 × 2 + G6 × 1

G1 : 一級監理受講者の人数(6点)
G2 : 一級技術者であって一級監理受講者以外の者の人数(5点)
G3 : 監理技術者を補佐する資格を有するものの人数(4点)
G4 : 基幹技能者であって一級技術者以外の者の人数(3点)
G5 : 二級技術者の人数(2点)
G6 : その他技術者の人数(1点)

監理技術者1名の加点が6点というのはよく知られていますが、この6点はZ点の一部である「種類別技術職員数評点(Z1)」を求めるための中間段階に過ぎません。

Z1点(技術職員数評点)の算出方法

上記の式で技術職員数値を求めたら、次にその数値を以下の表に当てはめてZ1点を計算します。Z1点は、技術職員数値の大きさによって1~30段階に区分され、それぞれ異なる計算式が適用されます。

(例)技術職員数値が5人以上10人未満の場合
   Z1 = 63 × 技術職員数値 ÷ 5 + 509

この「技術職員数値」の部分に、資格区分ごとの点数(6点~1点)の合計を入れて計算します。

技術職員数値点数
15,500以上2,335
11,930以上~15,500未満62 × 技術職員数値÷ 3,570 + 2,065
9,180以上~11,930未満63 × 技術職員数値÷ 2,750 + 1,998
7,060以上~9,180未満62 × 技術職員数値÷ 2,120 + 1,939
5,430以上~7,060未満62 × 技術職員数値÷ 1,630 + 1,876
4,180以上~5,430未満63 × 技術職員数値÷ 1,250 + 1,808
3,210以上~4,180未満63 × 技術職員数値÷ 970 + 1,747
2,470以上~3,210未満62 × 技術職員数値÷ 740 + 1,686
1,900以上~2,470未満62 × 技術職員数値÷ 570 + 1,624
1,460以上~1,900未満63 × 技術職員数値÷ 440 + 1,558
1,130以上~1,460未満63 × 技術職員数値÷ 330 + 1,488
870以上~1,130未満62 × 技術職員数値÷ 260 + 1,434
670以上~870未満63 × 技術職員数値÷ 200 + 1,367
510以上~670未満62 × 技術職員数値÷ 160 + 1,318
390以上~510未満63 × 技術職員数値÷ 120 + 1,247
300以上~390未満62 × 技術職員数値÷ 90 + 1,183
230以上~300未満63 × 技術職員数値÷ 70 + 1,119
180以上~230未満62 × 技術職員数値÷ 50 + 1,040
140以上~180未満62 × 技術職員数値÷ 40 + 984
110以上~140未満63 × 技術職員数値÷ 30 + 907
85以上~110未満63 × 技術職員数値÷ 25 + 860
65以上~85未満62 × 技術職員数値÷ 20 + 810
50以上~65未満62 × 技術職員数値÷ 15 + 742
40以上~50未満63 × 技術職員数値÷ 10 + 633
30以上~40未満63 × 技術職員数値÷ 10 + 633
20以上~30未満62 × 技術職員数値÷ 10 + 636
15以上~20未満63 × 技術職員数値÷ 5 + 508
10以上~15未満62 × 技術職員数値÷ 5 + 511
5以上~10未満63 × 技術職員数値÷ 5 + 509
5未満62 × 技術職員数値÷ 5 + 510

なぜ監理技術者の退職が大きく影響するのか

Z1点は単純な合計点ではなく、上記のように段階ごとに計算式が変わります。そのため、監理技術者1名(6点)の退職でも、Z1点が大きく下がることがあります。結果として、Z点全体、ひいては経審の総合評定値(P点)にも大きな影響を与えることになるのです。

ここまでで「Z点のうち技術職員評点(Z1)」の計算が完了します。このZ1点に、次の「元請完成工事高評点」を組み合わせて、Z点の最終値を求めます。

関連記事 経審の流れや結果通知書の見かたの解説はこちら

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この記事を書いた人

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塩﨑 宏晃

2003年行政書士登録。
建設業許可・経営審査業務の実務経験19年。
行政書士業務を通じて現場で働く方の縁の下の力持ちとなることがモットーです。
近年は建設キャリアアップシステム、特定技能ビザにも取り組んでいます。
お客様は一人親方、サブコン、地方ゼネコン、上場メーカーなど様々。
毎年200社以上のお客様と直接お会いし、ご相談を承っています。
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