工事請負契約書にはいくらの印紙を貼るのか

こういう契約書なんですけど、印紙はいくらのものを貼ればいいですか?お客様からよく頂く質問です。今回はこの印紙代について取り上げます。

印紙代については、とにかく国税庁のホームページに掲載されている最新の印紙税額一覧表を確認してください。
正確で間違いのない方法だと思います。工事請負契約書は一覧表の2号文書にあたります。請負金額に応じて印紙税額が次のように変わります。

200万円以下 200円

200万円超300万円以下 500円

300万円超500万円以下 1,000円

500万円超1,000万円以下 5,000円

1,000万円超5,000万円以下 10,000円

5,000万円町1億円以下 30,000円(以下、省略)

請負契約書のなかで契約書の作成通数を規定していると思います。そちらで定めた通数分だけ同じ印紙代が必要になります。また印紙に押す割り印については当事者の双方がしなければならない、という決まりはありません。二度と使えなくするための消印ですので、契約の片方でもよいですし、印鑑でなくてもペンで印をするだけでも構いません。

なお、工事注文書と請書の場合には、請書のほうにだけ印紙を貼ります。請書も上記の金額をもとにしてください。

~請負契約書の作成はなぜ義務なのでしょうか?~

契約内容をあらかじめ書面で明確にすることで、請負代金や施行範囲などに係る紛争を未然に防ぐことが目的です。契約を締結するにあたり、一定の重要事項を明示した適正な契約書を作成することは義務であり、作成後は署名または記名押印して、相互に交付します。そして契約書には以下の内容を記載する義務があります。

【1】工事内容

【2】請負代金の額

【3】工事着手の時期および工事完成の時期

【4】工事を施工しない日または時間帯の定めをするときはその内容

【5】請負代金の全部または一部の前払金または出来形部分に対する支払いの定めをするときは、その支払いの時期及び方法

【6】当事者の一方から設計変更または工事着手の延期もしくは工事の全部もしくは一部の中止の申出があった場合における工期の変更、請負代金の額の変更または損害の負担およびそれらの額の算定方法に関する定め

【7】天災その他不可抗力による工期の変更または損害の負担およびその額の算定方法に関する定め

【8】価格等の変動もしくは変更に基づく請負代金の額または工事内容の変更

【9】工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め

【10】注文者が工事に使用する資材を提供し、または建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め

【11】注文者が工事の全部または一部の完成を確認するための検査の時期および方法並びに引渡しの時期

【12】工事完成後における請負代金の支払いの時期および方法

【13】工事の目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任または当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容

【14】各当事者の履行の遅延その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金

【15】契約に関する紛争の解決方法

建設リサイクル法対象工事の場合は、以下の4項目を書面で記載します。

【1】分別解体の方法

【2】解体工事に要する費用

【3】再資源化するための施設の名称及び所在地

【4】再資源化等に要する費用

書面での契約締結方法は、公共工事・民間工事ともに契約内容を以下のいずれかの書面で作成します。

【1】請負契約書

【2】注文書・請書 + 基本契約書

【3】注文書・請書 + 基本契約約款

~工期について~

建設工事の注文者は、注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結することは禁止されています。建設業就業者の長時間労働を是正するためには適正な工期設定を行う必要があり、そのため通常必要と認められる期間と比して著しく短い期間を工期とする建設工事の請負契約は禁止されています。

通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間とは、「工期に関する基準」(令和2年7月20日 中央建設業審議会決定)等に照らして不適切に短く設定された期間をいいます。著しく短い工期の禁止は、契約締結時だけでなく、工事内容に変更が生じ、変更契約を締結する場合にも適用されます。

工期に関する基準については国土交通省のホームページにてご確認ください。

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この記事を書いた人

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塩﨑 宏晃

2003年行政書士登録。
建設業許可・経営審査業務の実務経験19年。
行政書士業務を通じて現場で働く方の縁の下の力持ちとなることがモットーです。
近年は建設キャリアアップシステム、特定技能ビザにも取り組んでいます。
お客様は一人親方、サブコン、地方ゼネコン、上場メーカーなど様々。
毎年200社以上のお客様と直接お会いし、ご相談を承っています。
2023年から申請のオンライン化が本格スタートしますので、
これを機に遠方のお客様ともご縁を頂ければと考えております。