その他の社会性等(W点)は、建設業者の社会的貢献度を評価する項目です。W1からW8まで項目があり、総合評定値(P点)の算出において15%のウエイトを占めます。

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建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況(W1)
建設業の営業継続の状況(W2)
防災活動への貢献の状況(W3)
法令遵守の状況(W4)
建設業の経理に関する状況(W5)
研究開発の状況(W6)
建設機械の保有状況(W7)
国際標準化機構が定めた規格による登録の状況(W8)


建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況(W1)
この項目では、働く人を大切にし、安心して働ける環境を整えているかという点が評価されます。
労働保険や社会保険の加入状況、退職金制度の導入、若手人材の育成、ワークライフバランスの取組などが主な評価対象です。
①雇用保険の加入
加入あり:0点
加入なし:-40点
②健康保険の加入
加入あり:0点
加入なし:-40点
③厚生年金保険の加入
加入あり:0点
加入なし:-40点
④建設業建退協共済制度の加入
加入あり:15点
加入なし:0点
⑤退職一時金制度、企業年金制度の導入
加入あり:15点
加入なし:0点
⑥法定外労働災害補償制度の加入
加入あり:15点
加入なし:0点
関連記事 ⑤と⑥の、退職金制度と法定外労災制度についての解説はこちら
⑦若年技術者、技能者の育成や確保の状況:0~2点
⑦-1 若年技術職員の継続的な育成および確保
審査基準日時点で、35歳未満の技術職員が技術職員名簿全体人数の15%以上の場合に加点されます。
・15%以上:1点
・15%未満:0点
⑦-2 新規若年技術職員の育成および確保
審査基準日において、新たに記載された35歳未満の技術職員が技術職員名簿全体人数の1%以上の場合に加点されます。
・増加率1%以上:1点
・増加率1%未満:0点
⑧知識および技術または技能の向上に関する取組の状況:0~20点
この項目は、令和3年4月の改正で追加され、令和5年1月経審改正でW10からW1-⑧に移行されました。建設業に従事する①技術者がCPDを受けること、②技能者が建設キャリアアップシステム(CCUS)でレベルが向上することで加点されます。
⑧-1 CPD単位取得数
⑧-2 技能レベル向上者数
⑨ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況:0~5点
この項目では、女性・若者・子育て世代が働きやすい職場づくりに取り組んでいるかどうかが評価されます。
⑨-1 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく認定
少子高齢化が進行する日本において十分な労働力を確保するためには、女性の活躍も欠かせませんが、すべての企業が女性のキャリア形成に適した環境を提供できているとはいいがたい状況です。えるぼしは、女性の雇用環境の改善に取り組んだ事業主について厚生労働大臣の認定を行う制度です。評価項目は①採用、②継続就業、③労働時間等の働き方、④管理職比率、⑤多彩なキャリアコース、の5つです。その実績を「女性の活躍推進企業データベース」に毎年公表することが必要です。そして、審査基準日時点で受けている認定により下記点数が加点されます。
・プラチナえるぼし:5点
・えるぼし(第3段階):4点
・えるぼし(第2段階):3点
・えるぼし(第1段階):2点
⑨-2 次世代育成支援対策推進法に基づく認定
くるみんは、次世代を担う子どもの育成のための措置を行った事業主に対して設けられた認定制度です。一定の基準を満たした企業を「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣が認定します。
・プラチナくるみん:5点
・くるみん/トライくるみん:3点
⑨-3 青少年の雇用の促進等に関する法律に基づく認定
若者の採用・育成等の雇用環境の改善に関する措置を行った場合、厚生労働大臣が認定します。
・ユースエール:4点
⑩建設工事に従事する者の職業履歴を蓄積するための措置の実施:0~15点
(令和5年8月14日以降の日を審査基準日とする申請から適用)
対象となる工事
以下の①~③を除く、審査基準日前1年以内に発注者から直接請け負った建設工事が対象です。
① 日本国内以外の工事
② 軽微な工事
・工事一件の請負代金の額が500万円(建築一式工事の場合は1,500万円)に満たない工事
・建築一式工事のうち面積が150m²に満たない木造住宅を建設する工事
③ 災害応急工事
・防災協定に基づく契約又は発注者の指示により実施された工事
実施すべき措置
以下の①~③のすべてを実施している場合に加点します。
① CCUS上での現場・契約情報の登録
② 建設工事に従事する者が直接入力によらない方法でCCUS上に就業履歴を蓄積できる体制の整備
③ 経審申請時に様式第6号に掲げる誓約書の提出
加点要件
以下の要件に該当した場合に加点します。
①審査対象工事のうち、民間工事を含む全ての建設工事で該当措置を実施した場合:15点
②審査対象工事のうち、全ての公共工事で該当措置を実施した場合:10点
ただし、審査基準日以前1年のうちに、審査対象工事を1件も発注者から直接請け負っていない場合には、加点されません。
建設業の営業継続の状況(W2)
この項目では、どれだけ長く安定して建設業を営んでいるかが評価されます。営業年数が長いほど、経営の安定性や信頼性が高いと判断されます。
営業年数:0~60点
建設業の許可又は登録を受けたときから審査基準日までの期間で算出します。営業年数が5年以下の場合は0点で、6年から35年までは営業年数が1年増えるごとに2点アップします。
民事再生法又は会社更生法の適用の有無
民事再生法または会社更生法の適用の有無
適応あり:-60点
適応なし:0点
防災活動への貢献の状況(W3)

この項目では、災害発生時に地域の防災活動へ貢献できる体制が整っているかが評価されます。防災協定を締結している場合に加点されます。
・防災協定の締結あり:20点
・防災協定の締結なし:0点
防災協定は災害時に優先的に防災活動を行うものであり、締結した官公庁の地域に災害が起こったときに応急・復旧工事を行うといった内容である必要があります。国や都道府県、市区町村、特殊法人と防災協定を締結できれば経審で加点となります。しかし直接防災協定を締結するのは困難な場合、防災協定を締結している団体に入会して加点を受けることもできます。
法令遵守の状況(W4)
この項目では、建設業の法律やルールをしっかり守って事業を行っているかが評価されます。過去に行政処分を受けた場合は減点となります。
・営業停止処分あり:-30点
・指示処分あり:-15点
・処分なし:0点
建設業の経理に関する状況(W5)

監査の受審状況
この項目では、会社の経理処理が正確で、信頼できる体制になっているかが評価されます。外部の専門家による監査や確認を受けている場合に加点されます。
・会計監査人を設置している場合:20点
・会計参与を設置している場合:10点
・経理処理の適正を確認した旨の書類の提出している場合:2点
・上位のいずれもない場合:0点
研究開発の状況(W6)
研究開発費
この項目では、新しい技術や工法などの開発にどれだけ取り組んでいるかが評価されます。研究開発にかけた費用をもとに点数が算出されます。評価の対象となるのは、会計監査人を設置している会社に限られます。公認会計士協会の指針などで定められた「研究開発費」の金額をもとに、直近2期分の平均値で評価します。
建設機械の保有状況(W7)
建設機械の保有台数(1台~15台)により加点がされます。保有していない場合は0点、最高は15点加算されます。自己所有の場合は、売買契約書、譲渡証明書、販売証明書、所有者等が確認できる書類(写し可)を提示します。
リースの場合はリース契約書の写しを提示します。リースの場合は、審査基準日から1年7カ月以上の使用期間が定められている場合に評価対象となりますが、満たない場合であっても、期間終了時に自動更新となる文言が記載されている契約又は期間終了時に借主が機械を買い取る内容が記載されている場合は加点対象となります。評価対象となる建設機械は、以下の9種類です。
1.ショベル系掘削機
ショベル、バックホウ、ドラグライン、クラムシェル、クレーン 又はパイルドライバーのアタッチメントを有するもの

2.ブルドーザー
自重が3トン以上のもの

3.トラクターショベル
バケット容量が0.4立方メートル以上のもの

4.モーターグレーダー
自重5t以上のもの

5.土砂を運搬する貨物自動車(ダンプ車)
車検証の車体の形状欄に、 「ダンプ」「ダンプフルトレーラ」「ダンプセミトレーラ」と記載があるもの(備考欄に土砂の運搬に制限がある場合は対象外)

6.移動式クレーン
つり上げ荷重3t以上のもの

7.締固め用機械
ロードローラー、タイヤローラー、振動ローラーなど

8.解体用機械
ブレーカー、鉄骨切断機、コンクリート圧砕機、解体用つかみ機など

9.高所作業車
作業床の高さ2m以上のもの。クローラ式やホイール式も対象



特定自主検査とは
土木工事や建設現場で活躍する建設機械は、とても便利ですが整備不良などで誤作動を起こせば大きな事故につながります。事業主は労働安全衛生法により、1年以内ごとに1回(不整地運搬車は2年以内ごとに1回)定期に、有資格者による自主検査を実施することが義務付けられています。
関連記事 建設機械についての詳しい解説はこちら
国際標準化機構が定めた規格による登録の状況(W8)

ISO9001(品質マネジメント)
ISO9001は、商品やサービスの品質に関わる国際規格です。企業の商品やサービスが国際基準レベルの品質管理の仕組みで提供されている証となります。
・登録あり:5点
・登録なし:0点
ISO14001(環境マネジメント)
ISO14001は、環境マネジメントシステムの国際規格です。汚染物質の削減や省エネルギー、資源の節約などにより評価され、環境にやさしい企業であることの証となります。
・登録あり:5点
・登録なし:0点
エコアクション21(環境経営)
エコアクション21は、日本独自の環境経営システムで、中小企業でも取り組みやすい内容です。環境負荷の低減に向けた自主的・積極的な取組を行う企業として評価されます。
・登録あり:3点
・登録なし:0点
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